愛用のカードキーを紛失してしまった時、「どうしよう、予備を複製しておけばよかった」「すぐに複製を作らないと」と、多くの人が「複製」という考えに囚われがちです。しかし、カードキーを紛失した際に最も優先すべきことは、複製を作ることではありません。それは、紛失したカードキーがもたらす「セキュリティリスクを無効化する」ことです。金属の鍵と違い、ICカードキーには大きなアドバンテージがあります。それは、特定のカードだけをシステム側から「使用不可」に設定できるという点です。もしあなたがカードキーを紛失したら、取るべき行動の正しい順番は以下の通りです。まず第一に、そして何よりも先に、物件の管理会社や大家さんに「カードキーを紛失した」という事実を速やかに報告します。この報告を受けて、管理会社はセキュリティシステムを操作し、あなたが紛失したカードの登録情報を削除します。この「失効処理」が行われた瞬間、紛失したカードキーは、たとえ誰かが拾って悪用しようとしても、もはや単なるプラスチックの板となり、エントランスや部屋のドアを開けることはできなくなります。これにより、紛失に伴う不正侵入のリスクを完全に断ち切ることができるのです。この失効処理をせずに、手元にある予備のカードキーで生活を続けたり、不正な業者に依頼して複製カードを作ったりするのは、最も危険な行為です。なぜなら、あなたが紛失した「本物のカードキー」は、依然として有効なままだからです。いつ、どこで、誰に拾われ、悪用されるかわからないという、計り知れないリスクを抱え続けることになります。管理会社への報告を終え、紛失したカードが無効化されたことを確認してから、初めて「新しいカードキーの再発行」の手続きに進むのです。これは複製ではなく、全く新しい情報が登録された正規のカードを受け取ることを意味します。紛失時の対応は、スピードが命です。複製を考える前に、まず一本の電話。それが、あなたの安全を守るための最善手なのです。
カードキーを紛失した!複製より先にやるべきこと