鍵を紛失し、家に入れないというパニック状態は、時に人を信じられないような無謀な行動に駆り立てます。しかし、その場しのぎの誤った判断は、状況をさらに悪化させ、結果的に時間もお金も余計にかかる最悪の事態を招きかねません。鍵がないという非常事態に、あなたが絶対にしてはいけない行動をいくつか覚えておいてください。まず最も危険なのが、窓ガラスを割って侵入しようとすることです。映画のワンシーンのように聞こえるかもしれませんが、焦りからこの選択肢を考えてしまう人は少なくありません。しかし、これは極めて危険です。割れたガラスで大怪我をするリスクがあるだけでなく、ガラスの修理費用は、鍵屋さんに解錠を依頼する費用よりもはるかに高額になる場合がほとんどです。さらに、割れた窓は一時的にせよ、あなたの家のセキュリティをゼロにしてしまいます。次にやりがちなのが、ドアや鍵を力ずくでこじ開けようとすることです。バールのようなものをドアの隙間に差し込んだり、針金のようなもので鍵穴をいじったりする行為は、百害あって一利なしです。ドアの枠や錠前を傷つけ、歪ませてしまい、結局ドアごと交換しなければならなくなる可能性さえあります。鍵穴に異物を差し込む行為は、内部の精密なピンを破壊し、プロの鍵屋さんですら解錠が困難な状況を作り出してしまいます。また、インターネットで見つけた情報を鵜呑みにし、クレジットカードをドアの隙間に差し込むといった方法を試す人もいますが、現代の防犯性の高いドアには全く通用しませんし、大切なカードを破損させるだけです。そして最後に、焦って電話帳やネット広告で最初に見つけた業者に、料金も確認せず依頼してしまうことです。残念ながら、利用者の足元を見て法外な料金を請求する悪質な業者も存在します。必ず複数の業者に連絡を取り、料金体系を明確に説明してくれる、信頼できる業者を選ぶ冷静さが必要です。鍵がない時、最善の行動は「何もしない」で専門家を待つこと。これが被害を最小限に抑える鉄則です。
鍵がない時に絶対やってはいけないこと