スマートキーという便利な仕組みに慣れきってしまったがゆえに、私はある日、自分でも信じられないような大失敗をしてしまいました。その日は朝から家族を駅まで送る予定があり、バタバタと準備をしていました。エンジンをかける際、プッシュボタンを押すと当然のようにかかりました。私はそのまま車を出し、無事に駅で家族を下ろして、近くのコンビニに立ち寄りました。ところが、買い物を終えて車に戻り、エンジンをかけようとした瞬間、私の背筋に冷たいものが走りました。ボタンを押してもエンジンがかからず、メーターには非情にも「キーが見つかりません」という文字が点滅していたのです。パニックになりながらポケットや鞄をいくら探しても、鍵の感触はありません。そこでようやく、恐ろしい事実に気づきました。実は、車の鍵は駅で降りた家族の鞄に入ったままだったのです。スマートキーを搭載した多くの車は、一度エンジンがかかってしまえば、鍵が車外に出てもそのまま走行し続けることができます。警告音は鳴りますが、走行を強制的に停止させることは安全上の理由から行われません。私はその警告を見落とし、あるいは聞き流して、鍵なしの状態で数キロメートルも運転してきてしまったのです。コンビニで一度エンジンを切ってしまったことで、車両は再始動のための認証を求め、そこで「鍵がない」という事実に直面したわけです。出先でエンジンがかからない車を前にして、私は途方に暮れました。結局、家族にタクシーで鍵を届けてもらうという大失態を演じ、多大な時間と費用を費やすことになりました。この経験から学んだのは、鍵なしでエンジンをかけ続けられる便利さは、時として大きな落とし穴になるということです。最近では、車外にキーが出た際により強く警告する車種も増えていますが、基本的には運転者自身の注意力が不可欠です。エンジンを切る前に必ず鍵が車内にあるかを確認する、あるいは家族で車を使う際は鍵の所在を明確にする。当たり前のことですが、高度なテクノロジーに依存しているからこそ、こうしたアナログな確認作業の重要性が増しているのだと痛感しました。スマートキーは、私たちが鍵を意識する機会を奪いましたが、それは鍵を管理する責任まで免除してくれたわけではありません。便利さの裏側にあるリスクを身をもって体験した私は、今では車に乗り込む際、必ず鍵の所在を指差し確認するようになっています。
車の鍵を持たずにエンジンをかけたまま外出した失敗記