自宅の鍵とはまた違った種類の絶望感に襲われるのが、自動車の鍵を紛失した時です。特に外出先で鍵をなくしてしまうと、移動手段を断たれ、まさに立ち往生という状況に陥ります。しかし、パニックになる必要はありません。車の鍵がない場合にも、いくつかの確実な対処法が存在します。まず、自宅の鍵と同様に、冷静になって徹底的に探すことが第一です。カバンやポケットはもちろん、買い物をしたのであれば、そのお店に問い合わせてみましょう。意外と親切な人が拾ってサービスカウンターなどに届けてくれているケースは多いものです。それでも見つからない場合、選択肢は主に二つです。一つは「自動車ディーラー」に連絡すること、もう一つは「出張専門の鍵屋さん」に依頼することです。ディーラーに依頼するメリットは、メーカー純正のキーが手に入るという絶対的な安心感です。しかし、デメリットもあります。まず、車をディーラーまで運ぶ必要があり、鍵がない状態ではレッカー移動が必須となります。そして、特にイモビライザー(盗難防止装置)付きのスマートキーなどの場合、部品の取り寄せや車両コンピューターへの登録作業に数日から一週間以上かかることも珍しくなく、その間は車が使えません。費用も比較的高額になる傾向があります。一方、出張鍵屋さんに依頼する最大のメリットは、そのスピードです。電話一本で、車が停まっている場所まで駆けつけ、その場で解錠から新しい鍵の作成、そしてイモビライザーの登録作業まで、全ての工程を即日で完了させてくれます。ディーラーに依頼するよりも早く、そして安価に済む場合が多いため、緊急時には非常に頼りになる存在です。ただし、鍵屋さんを選ぶ際には注意が必要です。イモビライザーキーの作成は高度な技術を要するため、全ての業者が対応できるわけではありません。電話で問い合わせる際に、自分の車種と年式を正確に伝え、イモビライザーキーの作成が可能かどうか、そして料金の見積もりを必ず確認しましょう。また、加入している自動車保険のロードサービスに、鍵のトラブルに関する特約が付帯している場合もあります。一度、保険証券を確認してみるのも賢明な対処法の一つです。