子育てをしていると、予想もつかないトラブルに直面することがありますが、私にとって最も肝を冷やした経験は、当時三歳だった息子が玄関の内鍵を閉めてしまった出来事でした。その日はゴミ出しのために、ほんの数十秒だけ外に出たのです。鍵を持って出るまでもなかろうと、扉を少しだけ開けた状態で外に出たのですが、不運にも風が強く吹き、扉がバタンと閉まってしまいました。焦ってドアノブを回しましたが、すでに遅し。内側からカチリという音が聞こえ、息子が遊び半分でサムターンを回してしまったのです。内鍵とは、内側から誰でも簡単に閉められる反面、外側からは鍵があっても開けられないタイプのものがあることを、その時ほど恨めしく思ったことはありません。 扉の向こう側では、最初は楽しそうに笑っていた息子の声が、次第に私が中に入れないことに気づいて泣き声に変わっていきました。「開けて、そこを回して」と必死に呼びかけましたが、三歳の子供にとって、パニック状態で内鍵を操作するのは至難の業です。内鍵とは本来、家族を守るためのものですが、その瞬間だけは私たちを隔てる残酷な壁に変わっていました。もし室内で火災が起きたら、もし息子が転んで怪我をしたら。最悪の事態が頭をよぎり、私は近所に聞こえるほど大きな声で助けを呼びました。結局、通りかかった方が親切にも警察と鍵業者を呼んでくださり、一時間ほどかけて解錠することができましたが、あの時の無力感と恐怖は今でも忘れられません。 この事件を通じて私が痛感したのは、内鍵とは時として凶器にもなり得るという事実です。特に、緊急解錠機能のない古いタイプの内鍵とは、一度閉まってしまうと外部からの救助が著しく困難になります。この日を境に、我が家では内鍵に対する考え方を一新しました。まず、玄関のサムターンには子供の手が届かないようにカバーを設置し、さらに勝手に回せないような工夫を施しました。また、内鍵とは何のためにあるのか、どのような時に閉めるべきなのかを子供に根気強く教えることも始めました。さらに、たとえゴミ出しであっても必ず合鍵をポケットに入れることを鉄則にしました。 世の中の親御さんに伝えたいのは、内鍵とは決して「閉まらないだろう」という楽観視が通用しない設備であるということです。子供は親の動作をよく見ており、大人が毎日行っている内鍵の操作を、遊びの延長で真似してしまいます。内鍵とは、防犯のために不可欠なものですが、その裏に潜むリスクを正しく理解し、万が一の事態を想定した備えをしておくことが、子供の安全を守ることに直結します。あの日、扉が開いて息子を抱きしめた時の温かさは、私にとって内鍵の重みを知るための、あまりにも重い教訓となりました。
小さな子供が内鍵を閉めてしまった日の忘れられない恐怖