防犯の第一歩は、適切な錠前を選ぶことから始まります。しかし、いざ選ぶとなると種類の多さに戸惑ってしまう方も少なくないでしょう。まず大切なのは、どこに設置するかを考えることです。玄関ドアであれば、ピッキングなどの不正開錠に強いディンプルキータイプのシリンダー錠が主流です。複数の鍵を組み合わせるワンドアツーロックは、防犯性を飛躍的に高める基本中の基本と言えるでしょう。選ぶ際には、官民合同会議で定められた基準をクリアした「CP認定錠」のマークがあるかどうかも一つの目安になります。これは防犯性能が高い製品であることの証明です。一方、室内のドアであれば、プライバシーを守る程度の簡易なもので十分な場合もあります。次に注目したいのが、鍵の形状と利便性です。昔ながらのギザギザした鍵は複製されやすいリスクがありますが、最近のディンプルキーは構造が複雑で複製が困難です。さらに進んで、鍵を持ち歩く必要のないスマートロックも人気を集めています。スマートフォンやカードキー、暗証番号で解錠できるため、鍵を紛失する心配がありません。ただし、電池切れや電子的なトラブルのリスクも考慮し、物理キーでも開けられるモデルを選ぶと安心です。また、錠前には耐用年数があることも忘れてはいけません。一般的に十年程度が交換の目安とされています。長年同じものを使っていると、内部の部品が摩耗して動きが悪くなったり、防犯性能が現在の基準に満たなくなったりすることがあります。交換を検討する際は、一つの業者だけでなく複数の専門業者から見積もりを取り、サービス内容や費用を比較検討することをお勧めします。自分のライフスタイルや家の状況、そして何を最も重視するのかをじっくり考え、最適な錠前を選ぶことが、安心できる毎日への確かな一歩となるのです。
あなたの家に最適な錠前の選び方入門